コーポレートサイトをリニューアルしました

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
この度、株式会社AiCANはコーポレートサイトを全面的にリニューアルいたしましたので、お知らせいたします。

今回のリニューアルでは、当社のビジョン、ミッション、バリューをより明確にお伝えできるよう、デザインを一新いたしました。また、ご利用いただく皆様が情報を探しやすいよう、情報設計やメニュー構成を見直しました。

今後も随時コンテンツを拡充し、より一層信頼いただける情報発信に努めてまいります。

引き続きご愛顧賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

2024年7月より、港区児童相談所様にAiCANサービスをご導入いただきました。

港区様の児童相談現場における課題解決に寄与できるよう、サービスを提供してまいります。

金融・投資メディア「HEDGE GUIDE」に、当社の資金調達に関連する記事を掲載いただきました。

SIIF、システムチェンジコレクティブ事業で協業パートナー2社を決定

一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)様のシステムチェンジコレクティブ事業を取り上げた記事で、出資先である当社の事業についてもご紹介いただきました。

関連リリース:
シリーズAラウンドでANRIらから総額2.15億円の資金調達を実施しました(2024年7月1日)

2024年7月5日の日本経済新聞(電子版)にて、当社をご紹介いただきました。

アイキャン、児童虐待の対応業務で新機能 書類作成支援 – 日本経済新聞

当社が開発中の一時保護の司法審査手続きの支援機能や、資金調達について取り上げていただきました。

関連リリース:
一時保護の司法審査手続きを補助する機能に関する特許を取得しました(2024年2月8日)
シリーズAラウンドでANRIらから総額2.15億円の資金調達を実施しました(2024年7月1日)

(2024年7月12日追記)
2024年7月12日付の日本経済新聞朝刊にも同内容の記事をご掲載いただきました。
アイキャン、児相向け書類作成支援 改正児童福祉法に対応 – 日本経済新聞

株式会社AiCANは、ANRI株式会社、HIRAC FUND(運営:マネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社)、一般社団法人社会変革推進財団、株式会社talikiを引受先とした第三者割当増資により、総額2.15億円の資金調達を実施したことをお知らせいたします。今回の調達により、融資を含む累計資金調達額は約3.9億円となりました。

当社は2023年に全国6自治体で実証実験を行い、地域や規模の異なる自治体においても「AiCANサービス」の導入効果が見込まれることを検証しました1。その結果を受けて、今年度より複数の自治体で本導入が予定されており、今後さらに導入地域を拡大していく予定です。

今回調達した資金を元に、サービスを改善・拡充していくとともに、より多くのユーザーにご利用いただけるよう、採用を拡大して開発体制・営業体制の強化を行ってまいります。

プレスリリース:
児童虐待解決をめざす株式会社AiCAN、シリーズAで2.15億円をANRIらから資金調達

  1. 令和5年度実証実験結果レポート―記録時間を約6割削減―(2024年3月5日) ↩︎

株式会社AiCANでは、2024年6月28日に「子どもの安全のためのAI倫理に関する声明」を発表いたしました。ここでは、AiCANのAI倫理プロジェクト担当より、この声明に込めた想いや今回発表するに至った背景などをお伝えします。

AI倫理の重要性と国内外の動き

まずは、AI(人工知能)における倫理の重要性と海外・日本国内の動向についてご紹介します。

AI倫理は、AIの「ガードレール」

言わずもがなAIは大変便利な存在ですが、使い方を間違えると

・差別の助長
・プライバシーの侵害
・誤った判断

などに繋がる危険性があります。薬や火などと同様に、AIも使う際に一定の制限を設ける必要があり、その役割を担うのが「AI倫理」です。AIを活用する際に道を踏み外さないためのガードレールのような存在がAI倫理だとイメージしていただくとよいでしょう。

AIが過去に想定されていた以上に急速な発展を遂げていることもあり、AI倫理の整備・アップデートも急ピッチで進めなくてはいけません。

欧州のAI規制法案可決を機に国内の動きも活発化

そんな中、2024年5月17日に欧州評議会のAI国際条約が採択されました(2024年9月に批准・発行予定)。これは世界で初めてのAIに関する条約です。G7諸国はこの条約の起草交渉に参加しており、日本もオブザーバー国として関与しています。

2018~2019年頃から、米国大手IT企業がAI倫理に関して自主的に指針の策定や取り組みの公表を開始したこともあり、日本でも大手企業を中心に同様の動きが増えてきました。2024年4月には経済産業省と総務省が「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」を発表したため、日本国内のAI倫理に関する議論やアクションは一層進んでいくでしょう。

ただし、個々のケースに関して法律で詳細に定義されることはなく、ある程度開発者側に委ねられることが予想されます。今後、法律をはじめとしたルールと、AIの柔軟な活用とのバランスをどのようにとっていくのかがカギになると考えられます。

AiCANのAI倫理に関する取り組み

続いて、私たちが行ってきたAI倫理に関する取り組みをご説明します。

AI倫理プロジェクトチームの立ち上げ

私たちは、児童相談所等の職員をサポートするAI搭載システム「AiCANを開発しています。児童福祉という大変センシティブな領域を扱っており、子どもや養育者(保護者)の権利に関わる判断に影響を及ぼします。

AI倫理の今と未来。児童福祉×AIシステムの在り方」というコラムでもご紹介したとおり、AI倫理が未検討のままでは差別的なラベリングが生まれてしまう危険性をはらんでいます。また、AIシステムはあくまで児童相談所の職員の方々の判断を補助する目的で提供していますが、AIの判断を鵜呑みにしてしまうなど、誤った使い方をされる可能性もあるのです。

そのため、私たちは2020年の起業当初からAI倫理に関する検討に注力し、2023年からはAI倫理プロジェクトチームを立ち上げました。AI倫理に関する方向性を検討し、それに基づいて使用方法のガイドライン、開発プロセス、評価システム等を検討してまいりました。現在も常にアップデートを行っています。

東京大学との共同研究もスタート

AiCANでは児童福祉現場の経験者を含む様々なバックグラウンドをもつメンバーたちが在籍し、個々の知見を活かしてバイアス要因の洗い出しを行っていますが、2023年度からは東京大学との共同研究もスタートしました。

私たちが整備しているAI倫理の指針や取り組み内容を共有し、国際的な評価の枠組みに照らし合わせながら第三者的視点で検証してもらっています。また、最新の国際情勢を注視しながら活発な意見交換を行っており、知識のアップデートに繋げています。

すべては子どもの安全のために

特にAiCAN創業当初は、AI倫理を検討するにあたって基準とする前例やガイドラインがなく、いちからアイデアを出し合い、試行錯誤をしながら開発・実装・評価を行ってきました。そして、AI倫理の整備に注力すればするほど、細やかな配慮と丁寧な対応が必要なテーマであることを実感しました。

AiCANサービスは、より質の高いサービスの提供を目指して随時システム等の見直しを行っていますが、公平・公正にAI倫理に対応していくことを考えると、プラスαの時間をかけ、第三者の評価も受けながらアップデートしていく必要があります。第三者が評価した結果、AI倫理の観点から「データが不十分」という結果が出た場合には、データの再収集やシステムの改修、開発フローの見直し等が発生する可能性もあるのです。

これ以外に、当然ながら法律の改正や取り巻く環境の変化に応じたアップデートも行っていく必要があります。最近では「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」においてヤングケアラーが支援対象として明記されましたが、こうした改正により影響を受けるデータもあります。

より良いサービスをつくり、子どもたちを守りたい

それでも私たちがAI倫理に力を入れ続けてきたのは、やはり「すべての子どもたちが安全な世界に変える」というAiCANの理念を成し遂げたいからにほかなりません。

子どもたちを守るために、より良いサービスを作りたい。その一心で取り組んでいます。

「子どもの安全のためのAI倫理に関する声明」を発表する理由

私たちは、AI倫理声明の中でAiCANが目指している世界と、それを実現するための取り組みを皆さまに宣言しました。この時期にAI倫理声明を公表したのは、以下のような想いからです。

子どもの権利を最優先することをお伝えしたい

「子どもの安全のためのAI倫理に関する声明」では、ユニセフの「子どもの権利条約の4つの原則」をベースに基本理念を記載しており、私たちが「子どもの最善の利益と権利を優先する」という姿勢を明確に記しています。

子どもに限らず、幅広い人たちの権利を守るためにAI倫理の指針・声明等を策定する企業も多くありますが、私たちは子どもが安全に暮らせる世界を実現するために子どもを最優先することを改めて宣言したいと考えました。

利用者様とともにAiCANサービスをつくりたい

AI規制法案が可決し、ますますAI倫理に関する議論が活発化していきます。現状の私たちの考えや取り組み内容をオープンにして透明性を確保することで、AiCANサービスを使っていただいている利用者様に安心していただきたいと考えました。

また、AIシステムの開発者である私たちだけでは、「子どもが安全に暮らせる世界を実現する」という理念を達成することはできません。AiCANサービスは利用者様に入力いただくデータと適切なご活用なしには成り立たないため、利用者様にもAiCANサービスをつくる「当事者」になっていただきたいと考えています。利用者様にご理解とご協力をお願いしたく、本声明の中では利用者様と協働して理念の達成を目指すことや、AIの目的・効果・利用方法等について私たちが責任をもってご説明することを宣言しています。

AIだけで子どもを救うことはできない

児童福祉の現場は慢性的な人手不足に陥っています。子どもの命に関わる判断を人が行い、その判断が正しかったのかどうか検証する余裕もない現実があります。

児童福祉の現場でこうした状況を目の当たりにし、私たちは「AIを活用することでこの苦しい状況を打破できるのではないか」「過去の事例を網羅的に集めたデータがあれば、より適切な判断がしやすくなり、救える子どもが増えるのではないか」と考えるようになりました。こうして生まれたのがAiCANサービスです。

AIはあくまでツールのひとつであり、人にとって変わるものではありません。良いAIシステムを開発するためには、有用性の高いデータが必要不可欠です。しかし、私たちだけでデータを収集することはできません。各地域の児童相談所の職員の方々の知見や事例の一つひとつのデータを積み重ねることでサービスの品質が上がり、それが経験の浅い職員の判断の助けになり、子どもを救うことに繋がるのです。

また、児童虐待防止を取り巻く倫理の問題は、AIに限ったものではありません。児童相談所や自治体の職員、親をはじめとした養育者、研究者の皆さま、そして子どもたちとも議論を重ね、一丸となって子どもが安全に暮らせる世の中を実現したいと考えています。

引き続き弊社の取り組みにご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

株式会社AiCAN AI倫理プロジェクトチーム

当社のAI開発・実践における倫理的な基本理念とそれを達成するための取り組みをまとめた、「子どもの安全のためのAI倫理に関する声明」を公開しました。

子どもの安全のためのAI倫理に関する声明

AI倫理に関する国内外での関心の高まりを受け、AIを利活用したサービスを提供する当社においても、前提とする考え方や取り組み内容を表明していくこととしました。

本声明を公表する背景についての補足として、下記コラムを同時公開しておりますので、併せてお読みいただければ幸いです。

AiCANが「子どもの安全のためのAI倫理に関する声明」に込めた想い

■日時:2024年4月26日(金)
【児童相談所向け】13:00~14:15
【市区町村向け】15:00~16:15

■各回オンライン開催:先着50名
※自治体職員様のみ対象です。

■オンラインセミナー申込先
URL:https://bit.ly/4aLeXO9

このセミナーでは、ICTの活用が児童相談所の業務効率化にどのように貢献するかを探求し、また未来に向けた職員の皆様の働き方改善についての展望も議論いたします。
児童相談所の未来を共に考える機会として、ぜひご参加ください。
お申し込みをお待ちしております。

令和5年度に実施した「児童虐待対応にかかるICTツールを活用した業務効率化の実証事業」の評価をまとめたインパクトサマリーを公開しました。

本インパクトサマリーは、昨年度に全国6自治体において実施した実証実験の成果を総括したものです。(効果検証の結果詳細については下記ページをご覧ください。)
株式会社AiCAN | 令和5年度実証実験の結果レポートを公開しました

当社は事業活動を通して、経済的な成長だけでなく、「すべての子どもたちが安全な世界」という社会的インパクトの実現を目指しています。その中で、最初のステップとして目指すゴールを「虐待死のない社会の実現」と設定し、ロジックモデルを作成して課題解決に向かうプロセスを整理しました。

インパクトサマリーでは、設定した指標に基づき事業の成果(アウトカム)を測定し、アプリ導入等の事業活動がもたらす変化を可視化しました。

今後、当社はIMM(インパクト測定・マネジメント)の実践を通してさらにモデルや指標をブラッシュアップし、社会的インパクトの実現に向けて事業を展開してまいります。

※本事業は中小企業庁の令和5年度「地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業補助金」の対象事業として採択され、補助を受けて実施されました。
関連リリース:
令和5年度「地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業補助金」に係る補助事業者として採択されました(2023年6月26日)

2023年5月に津市で発生した児童虐待による死亡事例について、当社もこれまで当社が把握する事実情報を提供するなど検証過程における調査に協力してまいりましたが、2024年3月30日に、三重県児童虐待死亡事例等検証委員会から知事に検証報告書が提出されました。

報告書内の記述の補足として、AIの分析結果について「システムの運用上の関係で、通常、翌日でなければ結果は分からなかった」との点について、当社のシステム上は即時に結果が表示される仕様になっていることを申し添えます。

検証結果報告を受け、当社としても引き続き児童福祉現場の課題解決に資するサービスのさらなる拡充に努めてまいります。
改めて、亡くなられたお子様の御冥福をお祈り申し上げます。

2024年4月1日
株式会社AiCAN