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児童福祉スタートアップのやりがいと面白さ【営業リーダーインタビュー・後編】
2025/06/10

AiCANアプリを全国の自治体へ展開する、営業チームリーダー・永井さんのインタビュー後編です!後編では、仕事のやりがいやスタートアップでの楽しさ、今後の展望についてお話ししていただきました。(インタビュー:経営推進部 上野)
永井 遥/Haruka Nagai
営業CS部 営業チーム チームリーダー
公認心理師。
大阪大学を卒業後、家庭裁判所調査官として10年勤務。家事事件・少年事件の調査や裁判官への意見提出、裁判所のデジタル化対応などを担当。
2024年4月にAiCAN入社。営業職として全国の自治体を回っています!
趣味:旅行、猫、コーヒー、音楽フェス、バスケ
▼営業リーダーインタビュー前編はこちら
https://www.aican-inc.com/column/20250610_03/
お客様と開発チームの架け橋
――営業として、プロダクトにはどのように関わっているのでしょうか?
永井:例えば、AiCANアプリの「司法審査機能(※)」の開発に関するプロジェクトに関わっています。法律の専門知識が必要な分野でもあるので、私から開発を担当するプロダクトチームへ具体的な要件を伝えています。裁判所に出す書類の形式など、マニュアルなどを読み込んだり、お客様へヒアリングしたりして、理解を深めています。
※司法審査機能・・・2022年の児童福祉法改正において、児童相談所が児童の一時保護をする際に、裁判官が判断を審査する手続き(一時保護の司法審査)が設けられ、2025年6月から施行されます。審査にあたっては、親権者等の同意がある場合等を除き、原則として一時保護開始から7日以内又は事前に、児童相談所が一時保護の必要性を記した請求書を提出する必要があります。「AiCAN」では、司法審査手続きに対応した機能を2025年3月から提供しており、順次アップデートしています。
――プロジェクトはどのように進めているのでしょうか?
永井:テーマごとに部署横断のプロジェクトを立ち上げて進めています。営業CSチーム、プロダクトチーム、DSチームなどのメンバーと一緒に議論しながら、AiCANのプロダクトを作っています。
スタートアップなのでとても早いスピードで状況が変化し、「カオス」な状況も起こります。少人数であっても大きな成果を出していくために、プロジェクト化していく、そのスピード感が面白いですね。法律改正や顧客ニーズ、技術の進歩などの変化に合わせて対応する速さが、AiCANの良さだと感じています。
子どもの安全を守るAI倫理
――他にも永井さんが参加されているプロジェクトはありますか?
永井:「AI倫理(※)」に関するプロジェクトに参加しています。
※当社は2024年6月28日に「子どもの安全のためのAI倫理に関する声明」を公開しました。(参考:AiCANが「子どもの安全のためのAI倫理に関する声明」に込めた想い)
AiCANアプリに搭載されるAIは、児童福祉という大変センシティブな領域を扱っており、子どもや養育者(保護者)の権利に関わる判断に影響を及ぼします。
AI倫理プロジェクトチームでは、国内外の最新の動向をキャッチしながら、AI倫理に関する取り組みの方向性を検討し、それに基づいて使用方法のガイドライン、開発プロセス、評価システム等を検討し、アップデートを行っています。並行して、社員一人一人がAI倫理の重要性を理解して実践していけるよう、社内研修の機会を設け、その中でサービス提供のあり方についても継続的にディスカッションしています。
また、AiCANでは、お客様である自治体の職員様が、AIとは何かや、AIの適切な使い方・リスク等を正しく理解をした上で利用していただけるように、ガイダンスや研修の内容などを通じて丁寧にサポートしていきます。そのガイダンスや研修の内容なども、AI倫理プロジェクトチームを中心に、DSチームやカスタマーサクセスチームが検討をしています。
――AI倫理について、東京大学とも共同研究をしていますよね。
永井:はい。共同研究の中で、市民の方々と児童虐待対応AIについて対話するワークショップ(※)に参加させていただいたこともあります。児童虐待対応にAIを活用することについて、一般の方々がどのように受け止めるのか、どのようなリスクを感じるのかといった率直な意見を伺うことができ、多くの気づきがありました。
また、実際に自治体の児童福祉現場の方に使っていただくにあたって、どのようなプロセスで理解を深めてもらう必要があるのかを考える上で、非常に貴重な経験となりました。
※詳細:共同研究先の東京大学でAIの利便性やリスクを話し合うワークショップが開催されました

(写真:東京大学ワークショップ当日。左からDSチーム椎名さん、CSチーム髙木さん、永井さん)
児童福祉スタートアップでの仕事のやりがい
――AiCANでの仕事のやりがいを教えてください。
永井:実際に現場でAiCANアプリを使っていただいた自治体の方から、「業務効率化につながった」というお話を聞けた時は、「届けられてよかった」と嬉しく思いました。
児童福祉の現場は業務量が多く、精神的な負担もあり余裕の無い状況です。AiCANが少しでも業務の負担を軽減することで、現場の方々がより子どもたちに向き合う時間が増えるのであれば、それは本当に意義のあることだと感じています。
現在(※2025年5月)、AiCANサービスを15自治体に導入していただいておりますが、もっと広まっていき、現場の方がより良い仕事ができるようになると良いなと思っています。
―― 永井さんの仕事のモチベーションは何でしょうか?
永井: スタートアップという環境で、ソーシャルビジネスを通して社会を変えていくという実感を日々得られることが、大きなモチベーションになっています。
また、児童福祉という、子どもたちの未来に関わる分野で、同じ志を持つ仲間たちと一緒に、現場で奮闘されている方々の役に立つプロダクトを届けられることに、大きなやりがいを感じています。
――スタートアップで働く面白さはどんな点でしょうか?
永井:組織がどんどん変化し、大きくなっていく過程を間近で見られるのは、本当に面白いです。私がまさに求めていた環境です。メンバーが増えていったり、オフィスを拡張して皆で作りあげていったり。柔軟に変化していける強さがスタートアップにはあると感じていますし、それが面白さにも繋がっていると思います。
カオスな状況もありますが、それを楽しめるメンバーが多いので、コミュニケーションも活発で刺激をもらっています。
これから挑戦してみたいこと
――AiCANでこれからやってみたいことはありますか?
永井: AiCANサービスを、児童相談所などの児童虐待対応の分野だけでなく、他の領域にも広げていきたいと思っています。既に、AiCANサービスは、教育センターでスクールソーシャルワーカーの方々に活用いただいたり、保健センターで保健師の方々に活用いただいたりしており、裾野が広がりつつあります。今後は、さらに子どもに関わる様々な領域で、私たちのプロダクトが貢献できる可能性があると感じています。司法、教育、医療、警察など、より広い分野に展開していけると良いなと考えています。
AiCANの営業に興味がある方へ
――営業チームで一緒に働きたい方はどんな方ですか?
永井: 主体性を持って、この組織を一緒に大きくしていきたいと思える方です。自分の担当業務だけでなく、周りの状況にも気を配り、いろんな人を巻き込んで仕事ができる方ですね。社内外の人とのコミュニケーションをバランスよく大事にできる人、変化を楽しめる方と一緒に働きたいです!
あと個人的には、ユーモアがある方です。ユーモアがあると、辛い状況でもポジティブに変換して、一緒に乗り越えられそうだなと思えます。
――最後にメッセージをお願いします!
永井: 今、めちゃくちゃ楽しいフェーズです!自分のやりたいことがある人も、何か社会課題を解決したいという大きな目標を持っている人も、自分のスキルを生かして社会に貢献したいという人も、それぞれの人にとって、きっとやりがいのある仕事がたくさん待っていると思います。自分の動き方次第で、いくらでも吸収できるフェーズだと思います。少しでも興味があれば、飛び込んでみてください!
――永井さん、ありがとうございました!次回もお楽しみに!