ライフステージが変わっても、安心して働ける環境を【役員インタビュー・後編】
経営の意思決定を担う役員の一人、当社COO(Chief Operating Officer)・先光さんのインタビュー後編です。先光さんは、2024年12月から2025年3月まで育児休業を取得しています。後編では育児休業を通して感じたことや復帰後の働き方、そして会社としての今後の展望などについてお話を伺いました。(インタビュー:経営推進部 佐々木・上野、文:経営推進部 佐々木)
※本記事は、採用サイトからの転載記事です。
先光毅士/ Takehito Sakimitsu
COO(Chief Operating Officer)
臨床心理士・公認心理師として公立の児童発達支援センターにて10年間勤務し、未就学児への療育や保護者支援など幅広い業務に携わる。NPO法人Child First Lab. の活動では子ども虐待防止のための啓発活動などを展開。こうした経験をもとに2020年3月、髙岡・橋本とともに株式会社AiCANを設立。現在はCOOとして経営全体の方針策定や意思決定に携わるとともに、経営推進部の責任者を務めている。
好きなもの:ドーナツ、コーヒー、滝を見ること
▼インタビュー前編はこちらから
見えないところで会社を動かす〜創業の背景とCOOとしてのやりがい〜【役員インタビュー・前編】 | 株式会社AiCAN
育児休業取得と育休中の生活
育休を取得された際の気持ちはどのようなものでしたか?
先光:育休の取得に迷いは一切ありませんでした。家庭を新たに築いていくうえでも、自分のキャリアの観点でも、貴重な経験になると感じていました。発達支援の仕事に携わってきたこともあり、「子育ての最初にしっかり時間を割けるのは、またとない機会だ」と考えていたんです。研修のような気持ちで、当然のように取得するつもりでした。
ただ、やはり自分が担っている業務を他の役員や社員にお願いし、その分の負担を引き受けてもらう必要がありました。その体制をきちんと整え、業務が滞りなく回るようにできるかどうかという点には、心配もありました。
それでも、他のメンバーは皆とても優秀ですし、きっと大丈夫だろうという気持ちで、取得を決断しました。
育休中の実務的なプロセスや、業務の引き継ぎについて、どのような体制を整えられましたか?
先光:役員としての業務は他の役員2人にお願いし、経営推進部としての業務は、経営推進部のメンバーに渡しました。ちょうど組織を成長させる中で、自分の業務を引き継ぐタイミングでもあったため、良いタイミングだったと思っています。2ヶ月ぐらい前から引き継ぎリストを作成し、引き継ぎ先を一つずつ決めるなど、計画的に進めました。
育休をとる時の周りの社員の方の反応はどのようなものでしたか?
先光:快く応援してもらえたことがありがたかったです。経営推進部のメンバーからも、「任せてください!」というような感じで言ってもらい、安心して育休に入ることができました。
また、以前にも男性社員で育休を取得していたメンバーもいたので、社員にも受け入れられやすかったのかもしれません。スタートアップだから、役員だから、男性だからということは関係なく、誰もが取得しやすい雰囲気があると思います。
育休中に印象的なエピソードはありますか?
先光:産後ケアの一環として、助産師の指導を受けに行くために家族で助産院に泊まり込んだことがあります。休みを取っていたからこそ、そのようなことにも一緒に取り組めたので、育休を取ってよかったと感じています。
育休復帰後
育休復帰後、仕事と育児の両立で苦労されている点はありますか?
先光:復帰後も家に帰ったら育児を一緒にするため、今は少し早めに切り上げて一旦帰宅しています。帰宅後に仕事を再開するのですが、夜も寝かしつけや夜泣きの対応があるため、いつも仕事ができるわけではありません。時間の制約がどうしてもあるのが今までとは違うところで、より効率よく集中して作業しなければならないという変化があり、そこが苦労している点でもあります。自分の中で優先度をつけて、優先度の高いものから業務を進めるようにしています。
復帰後、業務の分担はどのように変化しましたか?
先光:基本的に、経営推進部のメンバーに引き継いだ仕事はそのまま任せています。その代わり、役員としての会社全体の事業計画や経営タスクに時間を割くようにしています。現在はプロダクト開発にも関わるなど、新しい仕事に取り組んでおり、常にやることが尽きない状況です。
育休取得を考えている社員へ
今後、育休をとる男性社員に向けて何かひとことありますか?
先光:取得を希望する方は、ぜひ遠慮なく取得してほしいです。育休は、育児のための時間というだけでなく、家族が新しい体制になる中で、家族の運営の仕方を改めて作り直す時期だと思っています。育休の中で考え方や、やり方のすり合わせができたことが非常に良かったと感じているので、社員にもそういうことを大事にしてほしいと思っています。
弊社は「すべての子どもたちが安全な世界」というビジョンを掲げていますが、そこには当然社員の子どもたちも含まれており、子どもと家庭も大事にしてほしいと考えています。
業務に支障のない範囲で、プライベートにも時間を充ててほしいなと思っています。
組織拡大に伴う課題と対応

現在、会社全体で感じている課題は何ですか?
先光:現在、会社のメンバーが30人を超え、「30人の壁」(※1)と言われるような組織化の課題に直面しています。部署をまたいでお互いの業務が見えなくなったり、情報共有が不十分になったり、誰が何を決めるかが曖昧になったりといったことが起きています。これに対しては、組織として解決していくために、ボードメンバーだけでなく各部署のマネージャーも交えて意見交換しながら体制を考えたり、会議体を見直したりして対応しています。
AiCANの事業の強みや独自の戦略はどのような点にあると考えていますか?
先光:AiCANの最大の強みは、自治体と福祉の現場の課題に寄り添えるところです。単に現場出身者が社内にいるというだけでなく、社員全員が現場の課題を解決したい、子どもの安全に貢献したいという気持ちを持って入社してくれているため、「すべての子どもたちが安全な世界」という当社のビジョンを全員で共有していることが大きな強みです。
最終的に子どもの安全を守れるのは人であり、特に児童相談所の職員はそのための権限を持っています。そのような子どもと関わる立場の人たちが十分に力を発揮できるようにサポートをすることが、安全な世界の実現に繋がると考えています。
※1 組織拡大の壁のうちの一つ。ベンチャーやスタートアップのような小規模企業が成長し、従業員が30人を超えるとぶつかる様々な壁をさす。
今後の目標 ビジョンの実現に向けて
今後のAiCANが目指していることについて教えていただけますか?
先光:まずは国内で子どもが安全な世界を実現することを目指しています。そのために、AiCANサービスを全国に広げていき、子どもや家庭と向き合う時間が増えたり、迅速な対応ができたり、結果として安全が確保できたという事例を増やしていくことを指標においています。国内で糸口がつかめたら、さらに海外や児童福祉以外の近接領域にも展開していきたいと考えています。
個人的に今後取り組んでいきたいことや、実現したいことはありますか?
先光:個人的には、現在開発業務に携わっているので、よりAiCANを積極的に使いたい、便利だと感じてもらえるようにプロダクトを改善していくことに取り組みたいです。そのために、社内で顧客の要望を早く取り入れて改善していく体制づくりを進めたいと思っています。将来的には、これまで関わってきた保育や発達支援といった分野とも連携し、子どもに関わる大人全体で一人の子を見守れるような仕組みを作っていきたいと考えています。
経営推進部として、今後どのようなことを強化していきたいと考えていますか?
先光:経営推進部としては、前述のようなことがよりスムーズに実現できるように、会社内の開発部門や営業CSメンバーが業務に専念できるような下支えを強化していきたいです。必要なメンバーをさらに集めるための採用活動を強化するとともに、取り組みを社会に発信する広報面も充実させていきたいと考えています。

AiCANで働いてみたいという方へ
最後に、AiCANで一緒に働きたい人物像について教えていただけますか?
先光:会社で掲げている「すべての子どもたちが安全な世界」というビジョンを絶対に実現できると信じていますが、そこには長い道のりや困難、壁があると思います。そういったものを一緒に乗り越えていくチャレンジや変化を楽しんで取り組める人に来てほしいと思っています。
今のやり方を変えていくために積極的に提案してくれる人、ある程度型ができていてもまだ改善の余地があると考えて、それをブラッシュアップしてくれるような主体性のある人を経営推進部でも期待しています。
先光さん、ありがとうございました!次回もお楽しみに!!
現在募集中のポジションは、以下のリンクからご覧ください。ご応募お待ちしています!
https://www.wantedly.com/companies/company_4137770/projects