見えないところで会社を動かす〜創業の背景とCOOとしてのやりがい〜【役員インタビュー・前編】
当社の立ち上げから成長を支え続けてきたCOO(Chief Operating Officer)・先光さんに、創業当初の話から組織づくりの舞台裏、そして仕事のやりがいや育児休業取得についてお話を伺いました。(インタビュー:経営推進部 佐々木・上野、文:経営推進部 佐々木)
※本記事は、採用サイトからの転載記事です。
先光毅士/ Takehito Sakimitsu
COO(Chief Operating Officer)
臨床心理士・公認心理師として公立の児童発達支援センターにて10年間勤務し、未就学児への療育や保護者支援など幅広い業務に携わる。NPO法人Child First Lab. の活動では子ども虐待防止のための啓発活動などを展開。こうした経験をもとに2020年3月、髙岡・橋本とともに株式会社AiCANを設立。現在はCOOとして経営全体の方針策定や意思決定に携わるとともに、経営推進部の責任者を務めている。
好きなもの:ドーナツ、コーヒー、滝を見ること
創業ストーリー
AiCAN創業に至るまでの経緯を詳しく教えてください。
先光:元々個人として、子どもへの虐待がない社会を作ることをテーマにしていました。アプローチとしては、大きな制度や仕組みを作るやり方と、現場で支援をするやり方の両方があると考えていましたが、どちらに進むべきか迷っていました。
最初は仕組みを作ることに関心があり保育園を運営する会社に入社しました。そこで保育のフィールドで保護者の支援をする仕組みをつくれないかと考えていましたが、現場での相談支援の知識が必要だと感じ、発達支援センターで10年間、臨床(療育、保護者支援など)の仕事をしていました。その経験も自分にとって合っているなと感じていましたし楽しかったのですが、一方で、大きな仕組みを作ることへの関心を持ち続けていました。
同時期に、私が所属していたNPO法人Child First Lab. と、代表・髙岡さんの所属する産業技術総合研究所の共同研究という形で、児童虐待対応・予防に関する研究にも関わっていました。
その延長で、髙岡さんから研究成果を元に会社を立ち上げようという話が来たので、10年という節目もあり、一緒に会社を立ち上げることを決めました。
髙岡さんとの最初の出会いはいつでしたか?
先光:髙岡さんとは大学院時代に出会い、同じ専攻の先輩でした。髙岡さんと出会った時の印象は、行動力があり、フットワークが軽いところが自分とは異なる魅力を持っている人だなと感じていました。「この人なら、きっといつか世界を変えるだろう」と、当時から思っていました。
発達支援センターでのご経験を、AiCANの事業にどのように活かそうと思っていましたか?
先光:児童相談所と発達支援センターの現場で共通していた課題は、デジタル化の遅れです。記録のために残業や休日出勤をしたり、情報共有の手段として付箋に書いて掲示板に貼るようなことをしていました。それによって行き違いが生じるなど、非効率な状況が常態化しており、そのような部分を効率化していき、支援の質を高めるための時間を確保したいと考えていました。
また、どのような対応や支援をするか判断する場面においても、属人的で、個々の職員の経験やアセスメントに依存した領域だったため、標準化が必要だと感じていました。
会社立ち上げ当初、最も苦労したことはなんですか?
先光:私個人としてはビジネスセクターの経験が少なかったため、お客様との調整や交渉を進めるのも手探り状態でした。例えば、お客様との契約に関連する書類を、毎月5センチほどの紙の束を印刷してファイルに綴じて提出しなければならず、DXを推進する会社としてここを何とかしなければと思っていました。お客様との契約内容を調整したり、こちらから提案したりすることで、周囲の方の力を借りながら、少しずつ効率化を進められるようになりました。
経営推進部の立ち上げ

経営推進部はどのような業務をする部署ですか?
先光:経営推進部は、総務・法務・経理・人事労務・採用・広報・情報セキュリティなど、バックオフィス全般の幅広い業務を担当する部署です。経営推進部は他にメンバー3名、インターン生1名の合計5名の構成です。
私はCOOとして責任者を務め、多岐にわたる業務をチームでまとめています。現在は、日々の実務は他のメンバーに任せることが多く、部門の方向性や意思決定を中心に担当しています。
経営推進部を立ち上げたのは、社員が増えたことに伴ってとのことですが、組織化する上でどのような変化がありましたか?
先光:当初は、ほぼ私一人でバックオフィス業務を全て行っていました。その後会社立ち上げから3年目に、社員の採用を本格的に始め人数が増えたため、部署を分けて組織化することになりました。最初は総務部という名称でしたが、事務的なことだけでなく、事業全体を推進していくチームであるという意思を込めて、経営推進部という名称になりました。
お一人で業務をされていた頃と比べて、どのような変化がありましたか?
先光:一人でやっていた頃は、とにかく書類作成や作業をこなすことが中心で、締め切りまでに何かを完成させることに必死でした。しかし、現在は業務を分担できるようになったため、チームとしてどうしていくか、あるいは会社全体としてどうしていくかという大きな視点で物事を考えられるようになり、見え方が変わってきたと感じています。
AiCANでの仕事のやりがい
仕事のやりがいは何がありますか?
先光:経営推進部の仕事は裏方の地道な作業が多いですが、例えば入札資格の取得・維持などができていないと、どんなに営業が頑張っても契約ができないということがあります。ですので会社の事業を陰で支えているという実感が、大きなやりがいになっています。
個人的なやりがいとしては、お客様から「AiCANがあって役に立った」というフィードバックがあることが一番嬉しいです。印象に残っているのは、実証実験を担当していた自治体様で導入が決まった際に、管理職の方が笑顔で「これから楽しみですね」と言ってくださったことです。その方は管理職なのでAiCANを導入しても直接的に便利になる立場ではないにも関わらず、一緒に導入を喜んでもらえたこと、そこから業務が変わっていくことを期待してもらえたことが非常に嬉しく、そのような声をもっと多くの自治体に広げていきたいという気持ちがモチベーションになっています。
ありがとうございました!前編はここまでです。後編では、先光さんの育児休業の取得や復帰後の働き方、今後の会社としての目標などについてお伺いします。お楽しみに!
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