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児童福祉司がAIを使いこなす世界に向けて(1)

2020/08/01

児童福祉司に限らず、児童相談業務に携わる方々がAI(人工知能)を使いこなして、これまで以上の判断の質の向上と業務の効率化を実現いただくために、AIの基礎知識を学んでいただく必要があると考えています。

パソコンがなかった時代には必要がなかったパソコン操作の知識が、今や業務の前提知識のひとつとして欠かせないものとなっているように、AIの知識もこれからの業務の欠かせない前提知識のひとつになります。

では、児童福祉司に必要なAIの基礎知識とは何でしょう?

AIの研究者のように確率統計のアルゴリズムやモデリングの知識を習得する必要はありません。

しかし、AIの基礎を把握していることで、AIが出力するリスク値等を参照してより適切な判断が下せるようになります。

それは、例えばお医者さんが病気の検査のための機械設備や装置を使うときに、その装置でできる検査がどういう仕組みとなっているかをある程度知っていることで、より適切な診断ができるようになるのと似ているかもしれません。

たくさんのことを覚えなければならなくて大変そうだ!と感じた方もいるかもしれません。

しかし、見方を変えて、これからの児童福祉司は、児童福祉の専門知見とAIの知見を兼ね備えて、AIを使いこなして社会課題の解決に取り組む専門家となっていくと考えてみてください。

不謹慎な表現かもしれませんが、すこしワクワクしませんか?飛躍的に技術が進化した新たな時代に対応した、新しい児童福祉士の姿を考える時期が来たと考えてもよいのではないかと思います。

その第一歩として、今回は、非常によくあるAIに対する誤解について説明します。

AiCANの説明を聞きたいと言っていただける機会が増えています。その際、AIに対して抱かれているよくあるイメージが2つあります。

1.AiCANはたくさんの知識を持っていて、職員の判断よりも正確な答えを出してくれる

2.AiCANは職員の代わりに判断してくれる

残念ですが、この2つはどちらも間違いです。説明においては、この点をご理解いただくよう心がけていますが、残念ながら限られた時間で十分にご理解いただくまでに至らないこともあります。

このような誤解に対して正しく理解いただくことが、AIの基礎知識となると考えます。AIリテラシーという言い方もできるかもしれません。

では、上述の2点に対するAiCANができることを正しく記述するとどのようになるでしょうか。

1.AiCANは、職員が直面している案件に対して、過去の事例から役立つ確率の高い示唆を提示することができる

2.AiCANが職員の判断を代わることはできないが、職員の適時的確な判断を支援することができる

何が違うの?と感じる方もいるかもしれません。

もしも前者のイメージの通りであれば、AiCANの画面には判断結果が表示されることになります。しかし、実際のAiCANの画面にはリスク(確率)が表示されています。そこに違いがあります。

今の説明ですぐにピンとくる方は、正直なところ、なかなかいないと思います。

そこで次回は、このことについて、AIの開発者や研究者向けの説明ではない、「児童福祉司の業務で使える基礎知識」となるよう詳しく説明しようと思います。